光陰
まだ娘は話ができない。
あー、とか、うー、とか、
きぃやぁぁああーーー、とか、
うぇえぇえー、とか、
奇声を発するのみ。
また、立って歩くことはおろか、
ハイハイもしていない。
それはそれで愛らしいけど、
早く会話ができるようになって、
一緒に散歩したり出かけたりしたら、
もっと楽しいだろうなーと思っていた。
けど、
この歩けない、話せない時間は、
長い目で考えれば、
たった一年かそこらで終わるのだ。
もう二度とない、貴重な時間。
たとえ娘の記憶には残らなくても、
オムツを替え、抱っこして、ミルクをあげ、一緒に寝る時間を、かみしめたい。